手続き

相続登記を自分でやる方法と、専門家に頼むべきケース【2026年版】

相続登記は、実は自分で申請することも可能です。司法書士報酬を節約できる一方、戸籍集めや書類作成の手間は決して小さくありません。本記事では、相続登記を自分でやる場合の手順・必要書類・かかる費用と、専門家に頼むべきケースの見分け方を、相続登記サポート編集部が整理します。自分でやるか依頼するか、判断の材料にしてください。

1. 相続登記は自分でできる

相続登記は、必ず司法書士に頼まなければならないわけではありません。法務局には登記の相談窓口(予約制)もあり、シンプルなケースなら自分で申請することは十分可能です。司法書士報酬(6.6〜10万円程度)を節約できるのが最大のメリットです。

一方で、戸籍集めや申請書の作成には手間と時間がかかり、平日に役所や法務局へ行く必要も出てきます。「費用を取るか、手間を取るか」を見極めることが大切です。

2. 自分でやる場合の全体の流れ

相続登記を自分で行う場合、大きく次の4ステップになります。

  • ① 相続人と対象不動産を確定する
  • ② 戸籍・住民票・評価証明書などを集める
  • ③ 遺産分割協議書を作成する(遺言がない場合)
  • ④ 登記申請書を作成し、法務局へ申請する

3. ステップ1:相続人と不動産の確定

まず、誰が相続人なのか、どの不動産が対象なのかを確定します。不動産は、登記事項証明書(登記簿)や毎年の固定資産税の納税通知書で確認できます。市区町村で取得できる「名寄帳」を使うと、その自治体内の故人名義の不動産を一覧で確認でき、見落としを防げます。

4. ステップ2:戸籍などの書類集め

相続登記でもっとも手間がかかるのがこの工程です。主に次の書類が必要です。

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票、相続人の住民票
  • 固定資産評価証明書(その年度のもの)

転籍や結婚で本籍が移動していると、複数の市区町村に請求が必要です。郵送請求では定額小為替や返信用封筒を用意するなど、手間がかかります。

⚠ 戸籍集めが最大のハードル

「出生から死亡まで」をたどるのは想像以上に大変で、古い戸籍(改製原戸籍)は読み取りにくいこともあります。途中で1通でも抜けると登記が進まないため、ここでつまずく人が多い工程です。

5. ステップ3:遺産分割協議書の作成

遺言書がない場合は、相続人全員で「誰がどの財産を相続するか」を話し合い、その結果を遺産分割協議書にまとめます。全員の署名と実印の押印、印鑑証明書が必要です。1人でも合意が得られないと登記は進みません。相続人が遠方・疎遠な場合は、この合意形成が大きな壁になります。

自分でやる前に、期限と費用をチェック

亡くなった時期・不動産の評価額・件数を選ぶと、登記の期限・過料リスク・費用の目安が分かります。自分でやるか頼むかの判断材料に。無料です。

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6. ステップ4:申請書の作成と法務局への申請

必要書類が揃ったら、登記申請書を作成し、対象不動産を管轄する法務局へ申請します。申請書には登記の目的・原因・相続人・不動産の表示などを正確に記載する必要があり、書式の誤りがあると補正(やり直し)を求められます。登録免許税(評価額×0.4%)は、収入印紙などで納付します。窓口・郵送・オンラインで申請でき、法務局の事前相談(予約制)を活用すると安心です。

7. 自分でやる場合の費用

自分でやれば司法書士報酬は不要ですが、次の実費はかかります。

項目目安
登録免許税評価額 × 0.4%
戸籍・住民票などの取得合計 数千円〜
交通費・郵送費・時間ケースによる

金銭的な負担は抑えられますが、戸籍集めや申請書作成に費やす時間と手間が「見えないコスト」になります。

8. 専門家に頼むべきケース

次のようなケースは、自分でやると難易度・リスクが高く、専門家に依頼したほうが確実です。

  • 相続人が複数・遠方・疎遠で、協議や戸籍収集が大変
  • 古い相続で、すでに相続人が亡くなっている(数次相続)
  • 不動産が複数、または複数の市区町村にまたがる
  • 平日に役所・法務局へ行く時間がない
  • 2027年3月の期限が迫っていて急いでいる
✓ 「戸籍だけ依頼」も可能

「申請は自分でやりたいが、戸籍集めだけが大変」という場合、戸籍収集のサポート・代行だけを頼むこともできます。負担の大きい部分だけ任せる使い方も検討しましょう。

判断事例

相続人が自分ひとり・不動産も1件だったLさんは、法務局の相談窓口を活用して自分で登記。一方、相続人が4人で戸籍も多いMさんは、戸籍収集から協議書作成まで専門家に依頼し、短期間で完了しました。状況に応じて「自分でやる/頼む」を選び分けたケースです。
※ 説明のための構成例です。

9. よくあるご質問

Q. 自分でやると、どのくらい時間がかかりますか?

A. ケースによりますが、戸籍集めだけで数週間、全体で1〜2ヶ月以上かかることも珍しくありません。本籍の移動が多い・相続人が多いほど長くなります。

Q. 申請書の書き方が分かりません。

A. 法務局のホームページに記載例があり、予約制の相談窓口で確認することもできます。それでも不安な場合や、補正のやり取りを避けたい場合は専門家に依頼すると確実です。

Q. 途中まで自分でやって、難しければ頼めますか?

A. 可能です。集めた戸籍や資料を引き継いで、残りを専門家に依頼することもできます。期限が迫っている場合は、早めに切り替える判断も大切です。

Q. 相続人の一人が協力してくれません。

A. 遺産分割には全員の合意が必要なため、まずは話し合いが基本です。それでも難しい場合は、相続人申告登記で過料を回避しつつ、専門家を交えて調整する方法もあります。

Q. 期限が近いのですが、自分でやって間に合いますか?

A. 戸籍集めに時間がかかるため、期限が近い場合は専門家に任せたほうが確実です。間に合わないと判断したら、相続人申告登記で先に義務を果たす方法もあります。

「自分では難しそう」と感じたら無料相談を

戸籍収集から登記申請まで、提携の司法書士がオンラインで対応します。戸籍集めだけの依頼や、期限が近いケースもご相談ください。相談は無料です。

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10. 自分でやるときによくある失敗

相続登記を自分で進める方がつまずきやすいポイントには、いくつか共通点があります。まず「戸籍の取り漏れ」。出生から死亡までを連続させる必要があるのに、途中の改製原戸籍が抜けていて、法務局から追加を求められるケースです。次に「申請書の記載ミス」。登記の目的や原因、不動産の表示が登記簿と一致していないと補正になります。さらに「評価証明書の年度違い」。登録免許税は申請する年度の評価額で計算するため、古い年度のものだと使えません。こうしたミスはその都度やり直しになり、結果的に時間がかかります。

これらを避けるには、法務局の予約制相談を活用する、記載例を丁寧に確認する、といった工夫が有効です。それでも不安が残る場合や、何度も役所に行く時間がない場合は、最初から専門家に任せるほうがトータルでは楽なこともあります。特に期限が迫っているときは、やり直しのリスクを避ける意味でも依頼を検討しましょう。

11. 「自分でやる」が向いている人・向いていない人

自分でやるのが向いているのは、相続人が少なく(できれば1人)、不動産も1件、相続人同士の関係が良好で、平日に動ける時間がある人です。逆に、相続人が多い・遠方や疎遠な相続人がいる・数次相続が起きている・不動産が複数ある・期限が迫っている人は、専門家に任せたほうが確実で安心です。自分の状況がどちらに近いかを見極めて選びましょう。判断に迷う場合は、無料相談で「自分でできそうか」を確認してから決めても遅くありません。

Q. 法務局には何度も行く必要がありますか?

A. 事前相談、申請、補正対応、完了書類の受け取りなどで複数回行くことがあります。郵送やオンラインで減らせる部分もありますが、平日対応が基本になる点は念頭に置きましょう。

Q. 司法書士と行政書士、どちらに頼めばいいですか?

A. 登記申請の代理は司法書士の独占業務です。相続登記そのものを依頼するなら司法書士になります。戸籍収集や遺産分割協議書の作成のみであれば行政書士が対応できる範囲もありますが、登記まで任せるなら司法書士に依頼するのが確実です。

Q. 自分でやって間違えたら、どうなりますか?

A. 記載ミスなどは補正で直せることが多いですが、内容によってはやり直しになります。不安な場合は最初から専門家に依頼するか、戸籍収集だけ任せるなどの方法もあります。

12. 迷ったときの考え方

「自分でやれば数万円安く済むが、戸籍集めや申請に時間と手間がかかる」——これが相続登記の基本的なトレードオフです。費用を抑えたい・時間に余裕がある・ケースがシンプルなら自分で、確実さや手間の軽減を優先する・ケースが複雑・期限が近いなら専門家に、と整理すると判断しやすくなります。まずは自分の状況を「相続人の数」「不動産の数」「期限までの余裕」で確認してみましょう。

Q. 相続登記をしないと、最終的にどうなりますか?

A. 期限内に登記しないと10万円以下の過料の対象になり得るほか、不動産を売却・担保にできず、相続人が増えて手続きが複雑化します。早めの対応が結局は一番楽です。

Q. まず何をすればいいですか?

A. 登記簿で名義を確認し、相続人を洗い出すことから始めます。期限と費用の見通しを立てたうえで、自分でやるか依頼するかを判断しましょう。なお、迷う場合は無料相談で見通しだけ確認してから決めても遅くありません。

※ 本記事は一般的な解説であり、個別の手続き・登記義務を確定するものではありません。記載は2026年6月時点の情報に基づきます。具体的な判断は法務局・司法書士等にご確認ください。

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