制度の基本

障害基礎年金と障害厚生年金の違いは?早見表でわかりやすく解説【2026年版】

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、どちらに該当するかで金額も対象になる等級も大きく変わります。決め手になるのは「初診日にどの年金制度に入っていたか」。本記事では、障害基礎年金と障害厚生年金の違いを、対象者・等級・金額・加算の観点から早見表つきで整理します。自分がどちらに当てはまるかを確認しましょう。

1. 2種類の障害年金がある

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建てです。障害年金も同じ構造で、国民年金から支給されるのが障害基礎年金、厚生年金から支給されるのが障害厚生年金です。会社員などは国民年金にも同時に加入しているため、障害厚生年金に該当する人は障害基礎年金もあわせて受け取れる、いわば「2階建て」になります。

2. 違いを決めるのは「初診日」

どちらに該当するかは、その傷病で初めて医療機関にかかった日(初診日)に、どの年金制度に加入していたかで決まります。

  • 初診日に会社員・公務員(厚生年金)→ 障害厚生年金(+障害基礎年金)
  • 初診日に自営業・無職・学生・専業主婦/主夫(国民年金)→ 障害基礎年金
⚠ 「今」ではなく「初診日」で判断

現在の職業ではなく、初診日時点の加入制度で決まる点に注意。会社員時代に発症し、退職後に申請する場合でも、初診日が厚生年金加入中なら障害厚生年金の対象です。だからこそ初診日の特定が重要になります。

3. ひと目でわかる違い早見表

項目障害基礎年金障害厚生年金
加入制度国民年金厚生年金
主な対象自営業・無職・学生など会社員・公務員
等級1級・2級1級・2級・3級(+障害手当金)
金額定額定額+報酬比例
加算子の加算配偶者加給(1・2級)+子の加算

4. 障害基礎年金の特徴

障害基礎年金は金額が定額で、等級ごとに決まっています(2026年度:2級 約85万円、1級 約106万円)。18歳到達年度末までの子がいる場合は「子の加算」が上乗せされます。等級は1級・2級のみで、3級はありません。

5. 障害厚生年金の特徴

障害厚生年金は、障害基礎年金に相当する部分に加えて、給与水準に応じた「報酬比例の年金」が上乗せされます。さらに、生計を維持する配偶者がいる場合は「配偶者加給」も加わります(1・2級)。報酬比例は「平均標準報酬額×乗率×加入月数」で計算され、加入期間が短くても最低300月(25年)保証で計算されます。

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6. 金額はどれくらい違う?

ケース(2級・単身)年額の目安
障害基礎年金のみ約85万円
障害厚生年金(平均的年収)約130〜140万円

同じ2級でも、厚生年金加入中に初診日があるかどうかで、年間数十万円の差が出ることがあります。配偶者や子がいれば、その差はさらに広がります。

7. 3級・障害手当金は厚生年金だけ

「2級には届かないが、労働に制限がある」状態を救うのが3級障害手当金(一時金)です。これらは厚生年金にしかありません。つまり、同じ程度の障害でも、初診日が厚生年金加入中なら3級で受給できる一方、国民年金だと対象外、ということが起こり得ます。

💡 3級には最低保障額がある

障害厚生年金3級には最低保障額(2026年度 約63.5万円/年)があり、報酬比例分が少なくてもこの額が保障されます。

8. 間違えやすいポイント

  • 「今は自営業だから障害基礎年金」と思い込む(→初診日で判断)
  • 退職後に申請するから国民年金扱いと誤解する(→初診日が厚生年金なら厚生年金)
  • 障害者手帳の等級と障害年金の等級を混同する(→別制度)
  • 3級があると思って国民年金で申請する(→基礎年金に3級はない)
事例

会社員時代にうつ病を発症し、退職してしばらく経ってから申請したUさん。「今は無職だから基礎年金かな」と思っていましたが、初診日が厚生年金加入中だったため障害厚生年金の対象に。報酬比例分や配偶者加給が加わり、基礎年金だけの場合より大きな額を受給できました。
※ 制度を説明するための構成例です。実際の判断は日本年金機構が行います。

9. よくあるご質問

Q. 両方もらえることはありますか?

A. 障害厚生年金に該当する1・2級の方は、障害基礎年金もあわせて支給されます(2階建て)。3級は障害厚生年金のみです。

Q. 初診日が思い出せません。どう調べますか?

A. お薬手帳・診察券・領収書・健康診断の記録などが手がかりになります。最初の医療機関でカルテが残っていれば受診状況等証明書を取得します。特定が難しい場合は専門家に相談すると整理が進みます。

Q. パート・アルバイトはどちらになりますか?

A. 勤務時間などの要件で厚生年金に加入していれば障害厚生年金、加入していなければ国民年金(障害基礎年金)が基本です。初診日時点の加入状況で判断します。

Q. 20歳前に初診日がある場合は?

A. 20歳前の年金未加入期間に初診日がある場合は「20歳前傷病による障害基礎年金」の対象になり、このときは本人の所得制限があります。

Q. 自分がどちらか分からないときは?

A. 初診日の特定がカギになります。年金事務所や社会保険労務士に相談すれば、初診日と加入制度を整理し、どちらの対象かを確認できます。

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10. 「どちらか分からない」を解決する初診日の調べ方

障害基礎年金か障害厚生年金かは初診日で決まるため、まずは初診日を正確に押さえることが出発点です。初診日とは「その傷病で初めて医師の診療を受けた日」。同じ症状で転院している場合は、いちばん最初にかかった医療機関の受診日が初診日になります。調べる手がかりは、お薬手帳・診察券・領収書・健康診断の記録・健康保険の利用履歴など。最初の医療機関にカルテが残っていれば「受診状況等証明書」を取得して証明します。

初診日が確定したら、その日に勤務先で厚生年金に加入していたか、それとも国民年金だったかを確認します。給与明細・ねんきん定期便・年金記録などで、当時の加入状況をたどれます。ここが定まると、自分が障害基礎年金と障害厚生年金のどちらの対象なのか、そして受け取れるおおよその金額が見えてきます。

11. 障害年金と税金・他制度の関係

障害基礎年金・障害厚生年金とも非課税で、受け取った額に所得税・住民税はかかりません。老齢年金が課税対象なのとは異なる大きな利点です。一方、障害年金を受給していると、国民年金保険料の法定免除の対象になるなど、他制度との関係も生じます。世帯の状況によっては、配偶者の扶養や手当の判定に影響することもあるため、気になる場合は確認しておくとよいでしょう。

Q. 厚生年金に少しだけ加入していた場合は?

A. 初診日が厚生年金加入中であれば、加入期間が短くても障害厚生年金の対象です。報酬比例は最低300月保証で計算されるため、加入が短くても一定の額が確保されます。

Q. 専業主婦(第3号被保険者)はどちらですか?

A. 第3号被保険者は国民年金の扱いとなり、初診日がその期間中なら障害基礎年金が対象です。配偶者の厚生年金に基づく障害厚生年金が本人に出るわけではありません。

Q. 公務員はどうなりますか?

A. 公務員も厚生年金(共済を含む一元化後の制度)に加入しているため、障害厚生年金の枠組みで扱われます。報酬比例分や加算がある点は会社員と同様です。

Q. 基礎と厚生で申請手続きは違いますか?

A. 提出先や様式に違いはありますが、診断書・申立書で障害状態と初診日を立証する基本は同じです。どちらに該当するかを早い段階で確定させると、手続きがスムーズです。

Q. 損をしないために何に気をつければいい?

A. 「今の職業」で思い込まず、初診日の加入制度で判断することが最大のポイントです。厚生年金期間に初診日があるのに基礎年金として申請すると、報酬比例分や3級を取り逃すおそれがあります。判断に迷ったら専門家に確認しましょう。

12. まとめ:まず初診日、次に加入制度

障害基礎年金と障害厚生年金は、対象者・等級・金額・加算のすべてで違いがあります。同じ障害でも、初診日に厚生年金に入っていたかどうかで、受け取れる額や3級の有無が変わります。だからこそ、申請の出発点は「初診日の特定」、そして「その日の加入制度の確認」です。ここを正しく押さえれば、自分がどちらの対象で、いくら受け取れる見込みかが見えてきます。判断に迷うときや初診日の証明が難しいときは、専門家に相談して整理するのが確実です。

Q. ねんきん定期便で加入制度は分かりますか?

A. ねんきん定期便やねんきんネットで、いつどの制度に加入していたかの記録を確認できます。初診日の時期と照らし合わせると、どちらの対象かの見当がつきます。

Q. 転職を繰り返していた場合は?

A. 重要なのは初診日その日の加入状況です。転職歴が多くても、初診日に厚生年金加入中なら障害厚生年金の対象になります。記録をたどって初診日時点を確認しましょう。ねんきんネットや当時の給与明細、健康保険証の種類などが残っていれば、加入していた制度の確認がよりスムーズになり、申請の見通しも立てやすくなります。不明な点があれば、早めに年金事務所や専門家に確認しておくと安心です。

※ 本記事は一般的な解説であり、個別の受給可否・金額を保証するものではありません。金額は2026年度の制度に基づく目安です。具体的な判断は年金事務所・社会保険労務士等にご確認ください。

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